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『さんしょう太夫』だより
教えを伝えて
今回は、‘あんじゅ’を演じている小林祥子さんにお話を聞きました。
前進座では、あんじゅ役は女優さんだけですが、
づし王は男優だけでなく、
女優さんも演じています。
祥子さんはあんじゅとづし王という姉弟、
その両方を経験しています。
芳三郎「初めて『さんしょう太夫』という芝居についたときは、づし王でしたね」
祥 子「そう。二十代の頃ね。その時のあんじゅは先輩の女優さんだった、
とても残念なことに、退座されたけど」
芳三郎「確かに残念でした。
づし王時代に、なにか思い出ありますか?」
祥 子「一番の思い出は、あなたのお父さんに丁寧な演技指導を受けたことね。
お父さんのおかげで、舞台に立てたのよ」
芳三郎「六代目芳三郎に教わったんですね。どんな教えでした」
祥 子「私は前進座に入ったばかりの新人だったのだけど、
もう手取り足取り、ほんとに丁寧に教わったの。
セリフはもちろん、足の運びから、歩幅まで。目線の高さ手の使い方。
全て教わって舞台に立てたの」
芳三郎「そうですか・・・ちょっと、胸が熱くなってきますが・・・
うちの父はほんとに丁寧な教え方でしかたからね。」
祥 子「私が‘づし王’の時教えて頂いたことは、
今づし王を演じている竹下君に伝えているつもりよ」
芳三郎「その通りです。
ほかに何か思い出ってあります?」
祥 子「う~ん・・思い出って言うか、やっぱり失敗談に
なっちゃうけど・・・」
芳三郎「いいですよー、もう昔のことなんだから」
祥 子「なら言うけど、づし王のセリフで『竹鋸を持て!!』
というのがあるでしょ」
芳三郎「はい、‘たけのこぎり’ですね、その道具で、
罪人の首をはねるという。芝居のクライマックスですね」
祥 子「そう、そのクライマックスでね、
『‘たけのこ’を持て!』と言ってしまったの」
芳三郎「だーっはっはっはー・・・た、たけのこって、食材ですか・・
たけのこご飯作るんですか・・はっはっは・・」
祥 子「・・・・・・・」
芳三郎「あ、・・すみません・・なんか、可笑しすぎて・・
でも、祥子さん、そんな失敗誰でもしてますよ。
僕もづし王やってた時、ありましたよ」
祥 子「どんなこと?」
芳三郎「づし王が、国分寺の聖に助けを求めるでしょ、
『おひじりさまー、おひじりさまー』って叫ぶ場面」
祥 子「うん、とっても盛り上がる場面よね」
芳三郎「その時にね、
『おじりひさまー』
って、言っちゃったんです」
祥 子「笑、笑、笑・・なに、おじりひさまって・・・・」
お互いの失敗談で盛り上がっちゃいました。
なんだかとっても楽しいインタビューでした。
では、祥子さんの‘あんじゅ’の写真で、この記事を終わります。

嵐芳三郎
今回は、‘あんじゅ’を演じている小林祥子さんにお話を聞きました。
前進座では、あんじゅ役は女優さんだけですが、
づし王は男優だけでなく、
女優さんも演じています。
祥子さんはあんじゅとづし王という姉弟、
その両方を経験しています。
芳三郎「初めて『さんしょう太夫』という芝居についたときは、づし王でしたね」
祥 子「そう。二十代の頃ね。その時のあんじゅは先輩の女優さんだった、
とても残念なことに、退座されたけど」
芳三郎「確かに残念でした。
づし王時代に、なにか思い出ありますか?」
祥 子「一番の思い出は、あなたのお父さんに丁寧な演技指導を受けたことね。
お父さんのおかげで、舞台に立てたのよ」
芳三郎「六代目芳三郎に教わったんですね。どんな教えでした」
祥 子「私は前進座に入ったばかりの新人だったのだけど、
もう手取り足取り、ほんとに丁寧に教わったの。
セリフはもちろん、足の運びから、歩幅まで。目線の高さ手の使い方。
全て教わって舞台に立てたの」
芳三郎「そうですか・・・ちょっと、胸が熱くなってきますが・・・
うちの父はほんとに丁寧な教え方でしかたからね。」
祥 子「私が‘づし王’の時教えて頂いたことは、
今づし王を演じている竹下君に伝えているつもりよ」
芳三郎「その通りです。
ほかに何か思い出ってあります?」
祥 子「う~ん・・思い出って言うか、やっぱり失敗談に
なっちゃうけど・・・」
芳三郎「いいですよー、もう昔のことなんだから」
祥 子「なら言うけど、づし王のセリフで『竹鋸を持て!!』
というのがあるでしょ」
芳三郎「はい、‘たけのこぎり’ですね、その道具で、
罪人の首をはねるという。芝居のクライマックスですね」
祥 子「そう、そのクライマックスでね、
『‘たけのこ’を持て!』と言ってしまったの」
芳三郎「だーっはっはっはー・・・た、たけのこって、食材ですか・・
たけのこご飯作るんですか・・はっはっは・・」
祥 子「・・・・・・・」
芳三郎「あ、・・すみません・・なんか、可笑しすぎて・・
でも、祥子さん、そんな失敗誰でもしてますよ。
僕もづし王やってた時、ありましたよ」
祥 子「どんなこと?」
芳三郎「づし王が、国分寺の聖に助けを求めるでしょ、
『おひじりさまー、おひじりさまー』って叫ぶ場面」
祥 子「うん、とっても盛り上がる場面よね」
芳三郎「その時にね、
『おじりひさまー』
って、言っちゃったんです」
祥 子「笑、笑、笑・・なに、おじりひさまって・・・・」
お互いの失敗談で盛り上がっちゃいました。
なんだかとっても楽しいインタビューでした。
では、祥子さんの‘あんじゅ’の写真で、この記事を終わります。

嵐芳三郎
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- カテゴリ : さんしょう太夫
- 2012-07-30
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