FC2ブログ

Entries

『花木村月夜奇妙』班だより。一万二千人のホームルーム

「では出席をとりま~す。福島第三小学校のみなさ~ん」
「は~い」
「三河台小学校のみなさ~ん」
「は~い」……

ホームルーム


会場が割れんばかりの元気な声が返ってきます。
朝9時半本番の舞台も今日で5ステージ目。
今朝は福島市内14校、1000人の小学生たちが『花木村月夜奇妙』(以下『花木村』)を観てくれました。
『花木村』の中で私が演じる村役人が登場するのはお芝居のおしまいだけ。
役人


実はたったの15分間しか出演していません。

「ラクしすぎでしょ、柳生さん」

全編でずっぱりのかしら役、早瀬栄之丞さんからはいつもいやみを言われてばかりでした。

ところが今回の福島のキッズシアター公演では、そんな私に思いもかけぬ“大役”があたえられました。
芝居が始まる前の15分間、福島の小学生の前で『ワークショップ』、つまり解説をしてほしいというのです。
これで私の出演時間は最初の15分、最後の15分、合わせて30分になりました。

私は役者になって30年近く経ちますが、たった一人で、満員の客席に向かって、それも大勢の子どもたちを相手に解説するなどという経験はまるでありません。
口から心臓が飛び出しそうなくらいの大緊張の毎日です。
解説の中身は『花木村』の原作者の新美南吉さんの事、代表作『ごん狐』の話、芝居の中で出てくる歌舞伎の様式の説明等々…。
福島の子どもたちは本当に集中して、しっかりと、私のつたない話をきいてくれます。
『ごん狐』のラストシーンの朗読にはまんじりともせず私を見つめてくれるのです。
歌舞伎の説明では、会場全体で“見得”を体験。小学生全員による見得は壮観です。
見得


そして、この後のお芝居に備えて“大向こう”の練習もします。
「かしら~」
本番で栄之丞さんが登場して見得をすると、何と会場全員の小学生の声で、この大向こうがかかるのです。
涙が出るくらい感動的です。

私が解説をする時に一つだけ決めている事があります。
それは会場に来てくれているたくさんの小学校の名前を呼んで“出席”をとることです。
多い時には20校もある学校名をあらかじめ全部覚えて呼び掛けることは容易ではありませんが、これだけは必ずなんとしてもやり遂げようと心に決めています。
「は~い」
という元気な声を聞くともうそれでいっぺんに子どもたちと友だちになれたような気がします。嬉しくなってワクワクします。
私の解説はワークショップではなく『ホームルーム』なのかもしれません。 とはいえ一万二千人、福島県下126校の学校名が本当に全部覚えきれるのか…今もどきどきしています。明日は相馬の小学生たちに会いに行きます。
のれん前



記☆柳生啓介
関連記事
※前進座メールマガジン会員募集中です!チケット先行受付・プレゼント企画など、メルマガ会員限定のお得情報が満載。★登録・購読もちろん無料★ 【前進座メールマガジン】⇦登録はこちらから空メールを送るだけ。

0件のコメント

コメントの投稿

新規

投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

Appendix

劇団前進座



前進座動画

恋するフォーチュンクッキー 前進座Ver.

QRコード

QRコード

Extra

前進座公演だより

前進座だより

Author:前進座だより
劇団員が書き綴る、前進座公式ブログです。

最近の記事

カテゴリー

月別アーカイブ

FC2カウンター