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高畑勲監督のメッセージです!【前進座の「南の島に雪が降る」に期待する】

前進座の『南の島に雪が降る』に期待する

 加東大介さんの原作「南の島に雪が降る」は、一読驚嘆せざるをえない本です。
戦わずして大量の餓死者を出した悲惨極まりない西部ニューギニア戦線。
いつ敵が襲ってくるかもしれず、極度の緊張を常に強いられ、飢えと病に苦しみ、次々と死んでいく兵士。
そんな彼らの心を癒し、支え、晴らしてくれるものとして、演芸やお芝居というものがどんなに大きな存在たりえたのか。
役者だけでなく、化粧・衣装・舞台装置・照明などに発揮された演劇分隊員の職人根性、凝り性、打ち込みようがどれほどスゴイものだったのか。米国の強制収容所内で発揮された驚くべき芸術行為などとともに、日本人論には欠かせない基礎文献のひとつでしょう。
 このたび「南の島に雪が降る」が、加東さんの出発点だった前進座によって演じられると聞き、大いなる期待とともにいささかの不安が私の胸をよぎりました。それは、この作品が面白すぎるからです。
劇中で心打つエピソードが繰りひろげられ、悲しみや笑いがあふれ、ヒューマニズムが示されれば示されるほど、戦下でもこんなにも人間はいとおしく、悲しくも美しいのだ、という心地よい感動ドラマに終わってしまいかねない。
 それがいかなる極限状態の中で行われているのか、日本軍が行った戦争が、自軍の兵士に対してさえ、いかに残酷非道なものであったのか、芝居に熱中し笑ったりしている兵士一人一人が、日頃いかに厳しい生活を強いられているのか、それこそがひしひしと若い観客に伝わらなければ、今この名作を取り上げる意味はないのではないか。
 前進座ならば、そこをしっかりと感じさせてくれるにちがいないと思い、大いに期待しているところです。

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高畑勲(アニメーション映画監督)


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