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『解脱衣楓累』だより

解脱衣楓がさね

かさねさんという幽霊と初めて出会ったのは、学生時代。
近世(まァ江戸のこと)文学の演習(ゼミ)。松尾芭蕉の東北紀行『奥の細道』だった。

紀行と言っても『奥の細道』はノンフィクションではない。
首尾一貫した芭蕉翁の世界。
事実でも要らないものは削るし、その逆も。
曽良という軽い名前の弟子が途中まで行を共にして“随行日記”を残している。
これと照らし合わせて事の実否を検証するのだが、“この項随行日記になし”と註がつく所が随所にある。

馬上の芭蕉と曽良に追いすがる二人の童。女の童の名を聞くと「かさね」。
曽良は詠んだ
 
 かさねとは 八重撫子の 名なるべし

ゼミの担当者は、かさねという有名な幽霊が居るので、曽良は一瞬ドキリとしたのではないか、
と説いた。
かさねなどという幽霊を聞いたこともなかった私はヘェーと思ったが、
お岩さまが登場するまでは、かさねは女幽霊の第一人者。

現在では、鶴屋南北さんの清元『かさね』、そして明治になって三遊亭圓朝が書いた『真景累が淵』が知られている。
『真景―』は、幽霊なんて神経が見させる幻ですよと言う圓朝の洒落だが、その実これでもかという因果物語が展開する。
先ごろも映画になったのはそのごく一部。

尤も『奥の―』当時は、実説のお累(るい)さんの事件から20年後。
まだ舞台に取り上げられる以前。
彼女と同じ説を、他で聞いたことはない。
尚この部分、曽良の“随行日記”には全く存在しない。

撫子は、国太郎の紋。
累を演じる当代國太郎に因んで撫子紋の簪が活躍します。

 撫子や 昔ながらの 河原咲き

八重撫子の花言葉は、燃える愛とか。



初日まで五七日、35日に迫りました。    喜八郎☆記
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