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『解脱衣楓累』だより

       人の噂も・・・
                        
 全国各地を隈なく巡った『解脱』ですが、今でも話題になるのは20年前の“75日行きっぱなしの旅”。
 四国・中国・九州の演劇鑑賞会さん66ステージを一気に巡ったレコードは以後破られていません。
東京で何か仕出かして出掛けても、帰ってくる頃には噂は消えてるよ、なんて言ってたものです。
が、男ばかり40人の旅は20年後に伝わる武勇伝も生みました。
 2月半ばに旅立って、帰京は4月の末。
季節をまたぐ旅に、衣替えをどうしようかというのも懸案の一つでした。

          西瓜畑三人組

        (75日の旅の舞台より。撮影:杵屋佐之忠師)

 鹿児島から長途五時間、筑豊の飯塚に入ったのは、もう四月初め。
その日は入座二年目の私までが、市民劇場さんの二十周年祝賀会に招かれ、翌日からが例会。
 前進座の例会は、外題が『赤ひげ』でも『ベニスの商人』でも、嘉穂劇場という“芝居小屋”に決まっている。
まして打ってつけの南北もの。
 嘉穂劇場の紹介は、『さんしょう』班のブログに譲るが、このときの公演では大イベントがあった。
 帰京後この『解脱』を国立劇場に掛ける際、大詰の立ち回りに本雨を降らせる。
そのお披露目をこの芝居小屋で、というのだ。
 桟敷席の熱気に包まれて、芝居はいよいよ大詰“絹川堤”。
紅の紅葉散らしの襦袢に片肌脱いだ累と、鎌で立ち回る与右衛門に不時の雨がサァッと降りかかる。
 けぶる霧雨がライトに映え、水を含んだ黒繻子の帯で応戦する累は正に錦絵。
仕事の合間に鳥屋に駆けつけた筆者は、ワクワクしながら見入った。

          20周年
 
 75日の旅に続いて国立大劇場での東京公演。
芳三郎累は、水を含んだ衣装での立ち回り中に頚椎をずらし、全治三ヶ月のムチウチ状態で舞台を勤め続けた。
 千穐楽。
立回りが始まった頃から、一人、また一人と、出番を終えた出演者たちが上手の袖に集まってきた。
虹の架かる本雨の中で、白日夢のような場面に柝の音が響く。
 舞台を降りた累を迎えた拍手の花道が、
75日の旅のラスト・シーンだった。
 

 
         文責☆喜八郎☆

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