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『解脱衣楓累』だより
秋は夕暮れ
今年は『源氏物語』千年紀。
紫式部さんの日記の記事によると、1008年には
ギネス・ブックにも載っているこの小説が完成していたらしいという訳。
紫さんのライバル、清少納言のエッセー集『枕草子』は更に
12年ほど前に纏まっているらしい。
有名な「春はあけぼの…」の第一段や、43段「虫は…」の
ミノムシについてのエッセーは、
教科書でもおなじみ。
ミノムシは、鬼の子。置き去りにして逃げた親を恋うて、秋風の中、
「父よ父よ」と鳴くすがたは“あわれ”。
ミノムシに、毛糸くずや色紙のカラフルなミノを織らせたことのある方は、
御存知でしょうが、蓑虫は鳴きません。
「チチ、チチ」と鳴くというのは、別の虫の声を取り違えたようです。
『解脱の累』序幕、これから心中しようかという切羽詰った会話に
ミノムシの例えが出て来るのだから、累のお姉さんも洒落てます。
羽化してミノ蛾になるのは、雄だけ。メスは羽根を得ることなく、
芋虫の姿で子を産んで生涯を終えます。
清少納言が仕えた中宮・定子のおとっつぁん、藤原道隆の歌も
『累』に登場します。
でも、そう言えば、もう何年もミノムシを見ていないような・・・。
今年はゆっくり探してみようか。
東京公演開幕まで一ヶ月です。 喜八郎☆記
今年は『源氏物語』千年紀。
紫式部さんの日記の記事によると、1008年には
ギネス・ブックにも載っているこの小説が完成していたらしいという訳。
紫さんのライバル、清少納言のエッセー集『枕草子』は更に
12年ほど前に纏まっているらしい。
有名な「春はあけぼの…」の第一段や、43段「虫は…」の
ミノムシについてのエッセーは、
教科書でもおなじみ。
ミノムシは、鬼の子。置き去りにして逃げた親を恋うて、秋風の中、
「父よ父よ」と鳴くすがたは“あわれ”。
ミノムシに、毛糸くずや色紙のカラフルなミノを織らせたことのある方は、
御存知でしょうが、蓑虫は鳴きません。
「チチ、チチ」と鳴くというのは、別の虫の声を取り違えたようです。
『解脱の累』序幕、これから心中しようかという切羽詰った会話に
ミノムシの例えが出て来るのだから、累のお姉さんも洒落てます。
羽化してミノ蛾になるのは、雄だけ。メスは羽根を得ることなく、
芋虫の姿で子を産んで生涯を終えます。
清少納言が仕えた中宮・定子のおとっつぁん、藤原道隆の歌も
『累』に登場します。
でも、そう言えば、もう何年もミノムシを見ていないような・・・。
今年はゆっくり探してみようか。
東京公演開幕まで一ヶ月です。 喜八郎☆記
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- カテゴリ : 解脱衣楓累
- 2008-09-11
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