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『解脱衣楓累』だより

         “うしろ”の百人たち                                      

 
 『花のピュンピュン丸』や『空手バカ一代』の漫画家、
つのだじろう氏は、島田啓三氏の弟子。
 『のらくろ』の田河水泡氏と戦前の少年漫画人気を二分した
『冒険ダン吉』の作者は、
「修行中はデッサン以外罷りならぬ」という
厳しい師匠だった。

 『漫画少年』でデヴュー後のつのだ氏は、
あのトキワ荘に日参して新漫画党メンバーとして活躍、
石森や藤子らとアニメ製作にも手を染めた。

後に 『泣くな!十円』などのホノボノ路線から一転、
『恐怖新聞』などのオカルト物や大人漫画に
新境地を開いた。

 オカルト路線の『新説百物語』には、前進座の
『解脱衣楓累』上演エピソードが登場する。

 台本を読んだ先代国太郎
累を勤める嵐芳三郎の右目が相次いで充血、
今回の累・現國太郎は右目に物貰いを作った。

 累さんの墓に詣でた帰り、喫茶店に入ると出された飲み物が
人数分より一つ多い。
「連れてきたかな?」

 車で吉祥寺に帰りつき倒れていた人を助け起こすと、
劇場部の松田益平主任。
その右目から鮮血が滴っている。
 転倒の拍子に割れた眼鏡が刺さったのだったが、
幸いなことに眼球を逸れていた。
又も右の目。累が劇中怪我する眼が右である。


 流石、師匠に厳しく仕込まれ、
手塚治虫も折り紙を付けた つのだ氏のデッサン力。
 先代国太郎らは勿論、松田主任も良く似ていた。

 松田主任、通称“松っあん”は、演出部員から劇場主任を歴任。
当時、楽屋にカレーライスの出前をとるのを控えていたのは、
カレーの匂いが苦手な松っあんに遠慮してのことだった。
 
 能筆にして細工も得意、舞台で使う書状や大道具・小道具を手掛けた。
中でも『五重塔』で使用される塔の雛形は、美術館に置くべき逸品だが、
今も上演の度に活躍している。

 下座のきっかけ等を決める付立て稽古を終え、
南北さんの世界が姿を現してきました。
松っあんのような方たちに支えられて
いよいよ『解脱衣楓累』が生まれます。


               喜八郎☆記
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