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『ちひろ』 若い二人の決意と恋 嵐芳三郎

芳三郎です、こんにちは。

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『ちひろー私、絵と結婚するのー』公演班は連日稽古で、9月20日の「なかのZEROホール」初日に向けて出演者の気持ちがどんどん昂っています。

この芝居を多くの方に、ぜひ観て頂きたい。そこで、僕なりにこの芝居の概要をご紹介させて頂こうと思います。

戦後間もない1946年5月。「いわさきちひろ」という一人の女性が、信州の松本から上京し小さな新聞社を訪問する場面から、この物語は始まります。絵の才能を認められて、無事に新聞社に就職することができ、さらに、編集長の紹介で女流画家の「丸山俊子」のデッサン会に参加するようになります。プロの画家を目指しながら、新聞社で働くという「ちひろ」の新生活が始まるわけです。

新聞社の面々や、デッサン会で知り合った画家達、温かく見守る下宿先の大屋さんなど、ちひろを取り巻く人々は皆心優しく、魅力的な登場人物ばかりです。

3年後の春、紙芝居作家の稲村泰子から絵の仕事を依頼され、それをきっかけに新聞社も辞め、本格的にプロの画家として歩み始める「ちひろ」。その頃知り合ったのが、東大出の若き活動家「橋本善明」でした。彼の真っ直ぐな人間性と、庶民のために世の中をもっと良くしたいという信念と情熱に、次第に心惹かれていく「ちひろ」。

善明のほうも、ちひろへの思いを募らせるのに時間は掛かりませんでした。

ある日、若い二人は自分の過去を語り始めます。

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(橋本善明=新村宗二郎)

善明は、自分は軍国青年だった。国の為に戦場へ行き命を投げ出すのが当たり前だと思っていた。中学の後輩たちに、自分の後を追って国の為に戦って欲しいと訴えた。その自分の言葉が、誰かの人生を捻じ曲げたかもしれない。それをずっと後悔して生きてきた。

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(ちひろ=有田佳代)

ちひろは、母親が満州開拓団に花嫁を送り出す仕事をしていた。その母と共に満州へ渡り、女子開拓団の訓練所で習字の教師をしていた。しかし、聞かされていたのとは全く違うひどい暮らしで、体を壊し、軍のツテで敗戦の前に帰国した。あの頃ともに暮らした人たちを残して……あの方達がその後どうなったか、それを思うと自分のことが許せない……

二人とも強い後悔の念をずっと抱いて生きてきた。でもあの頃は、あの戦争の時代は、自分のやっていることが間違っているなんて、微塵も思わなかった。お国の為に正しいことをしているのだと信じていた。でも間違いだった。

やってしまった過去は消せない。だからこそ、これからだ、これからをどう生きるか。善明は、弱者の為の、弱者を救う弁護士になろう。ちひろは、子供たちの未来の為に、絵を描くことによって世の中を良くしたい。そして二人とも、戦争だけは絶対に許さないという強い決意。二人の気持ちが、芝居の終幕へ向かってどんどん近づいていく。

私、芳三郎がこの芝居に参加して思うのは、ちひろさんの日常を描いた作品なので、割と静かに物語が進行していき、ことさら激しく「戦争反対」というメッセージを放っている作品ではない気がします。

でも観終わった後に、今、平和であることの有難さをしみじみ感じたり、また、人と人はお互いを尊重し合って、意見がぶつかり合うことがあったとしても、人に対して常に優しい心を持っていたいなぁ、と、そんな気持ちになる芝居だと僕は思います。

他人を思いやることができれば、すぐ暴力を振るう人も少なくなるのではないかと……ましてや、戦争など起こるわけがない。

以上です、読んでくださりありがとうございました。

あと、一つお知らせです。演出の鵜山仁さんからのメッセージがユーチューブで配信されております。鵜山さんのお人柄が分かるとてもいい動画です。ぜひ、こちらのURLからご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=t-KcRJhiOm0

記 嵐芳三郎
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