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五月国立大劇場公演だより

エンマ大王
 
 『元禄忠臣蔵』は、
当時の松竹社長・白井松次郎氏が発想し、
完結編『大石最後の一日』から始まって
一編ずつ発表、上演されて十篇となっていた。

 これに作者・真山青果が構想中だった
『山科閑居』を加えて全編を映画化する
という大仕事。


撮影となると普段の温和な紳士から一変、
一番先にセットに入って
充血した面持ちで監督の椅子に無言で掛ける
溝口健二監督は、エンマと仇名された。

 本物にこだわり、
『御浜御殿―』の場で
富森助右衛門が綱豊に突きかかる槍は
本身が用意された。
 松からこぼれる雪が気に入らず、
金沢兼六園に四日間のロケを行う徹底振り。

日本画家を動員して描いた襖絵が史実と違うと描き直しで
撮影延期、火鉢が似つかわしくないと市内のお寺に探しに行く、
火箸がいけない、出来上がれば三分のシーンも
こんな具合。
役者は真夏に本式の重ね着で待った。


 役者に対しては具体的な指示は出さず
何度もテストを重ねる中で本人に発見させる
やり方だった。

 撮影は大幅に伸び、製作責任者は左遷された。 
出演者はそれぞれ家を借りて京都住まい。
途中予定されていた舞台公演は中止となった。

 内蔵助(長十郎)の次男吉千代役で、
初舞台から二年目の中村梅之助も
撮影に参加している。

 七ヶ月という当時ケタ外れの撮影は
翌年一月にクランク・アップ。
『元禄忠臣蔵』前・後篇を残した。


 喜八郎☆記
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