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五月国立大劇場公演だより

                 青大将


「正直に云えば、官軍は弱すぎました。
蛇を恐れる臆病者に限って、
毒をなさぬ青大将でも、見かければ殺さずには
安心がなりもはん」

 

 二世・左團次追悼前進座公演『将軍江戸を去る』は、
書き物の『幡随院長兵衛』と時局ものの『大地に祈る』と共に上演された。
 勝・西郷の会談部分を削って後半のみの上演。
これが先鞭となって『将軍江戸を去る』というと
前半が上演されることは殆どない。
                イワシ売りの喧嘩も登場する

 三本建ての所要時間の問題だったのか、
二役を演じた勝海舟より慶喜役が二世左團次の当たり役と目された為か。

 歌舞伎に精通する渥美清太郎先生などは、
この時、
前半はあまり見るところがないような発言をされているので、
その為の判断だったのかもしれない。

 が、今読むと、前半の勝・西郷会談は、
かなり魅力的。真山青果の筆は
現代の戦争をも髣髴とさせる

 明日の戦火も知らぬ庶民が
今日の食卓にのぼる鰯の値段で鰯売りと掛け合っている。
「戦争とは実に残酷なもの」

 そのリアリティが太平洋戦争前夜に立っている人々に
二の足を踏ませたのかもしれない。

 作者の意図は知らず、
膨大な資料の紙背に徹する目と、
歴史、人間を見つめる眼力とが
戦争の本質を描かせたのか。

 思想に濁った眼には見えぬ洞察力が
この芝居には活きている。

 なお、この時の文章の中でも渥美先生、
次の機会は三部作一挙上演をと前進座に望んでいる。


 左團次の没した翌年、前進座が念願していた
『元禄忠臣蔵』初の系統的上演がいよいよ始まった。


    喜八郎☆記
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