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五月国立大劇場公演だより

       仕合せな役者


 系統的上演も大詰に近い『泉岳寺の一日』では
第一弾上演時と同じ
一言の台詞に2~3時間の稽古が復活した。

 四十七士など群集が登場する場面を纏めるのは大変。
 前進座の『元禄忠臣蔵』は
劇団の強みと徹底した稽古とで
成果を挙げ、
『元禄忠臣蔵』の世界が一人一人の身体に染込んでいた。

 が、これまでの上演を担った若手中堅の俳優の多くが
『泉岳寺ー』の前に出征してしまっていたのだった。

                   花道

 前進座創立の年に起きた満州事変は、この国を15年間の戦争に導き、
系統的上演の始まった二年前に対米戦争に発展していた。
 

 第一弾の汐田又之丞で熱演につぐ熱演を見せた
市川莚司=加東大介も、道頓堀の小屋の花道七三にトーンと突いた
『新門辰五郎』の纏マトイを名残りに赤紙に引っ張られていた。
                 
 南方ニューギニア戦線で、
消沈する兵士のケアの為に劇団組織を命じられた彼は
戦地でも『瞼の母』などの舞台に立った。
死と背中合わせの役者と観客は、束の間の舞台に燃焼した。

 復員して、無断上演を詫びに訪れた加東大介に
“無断上演などどうでもいい。
そういう観客と舞台をつくった君は幸せな役者だ”と
作者・長谷川伸は答えた。

 幸せな役者だった自分は
これからも役者であることを大切に生きなければ
戦地の仲間に申し訳が立たない、
そんな感懐で
『南の島に雪が降る』(加東大介)は、結ばれている。


           喜八郎☆記
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