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『俊寛』『一夕噺』だよ

         『俊寛』と「若者たち」

 前進座が初めて『俊寛』を上演したのは、創立20周年の頃。二十歳の劇団は、戦後の荒廃の中これからの青少年にいい芝居をと、津々浦々降りない駅はないという活動を展開していました。
 『レ・ミゼラブル』に始まって、シェークスピア、モリエール、戦時中触れることのできなかった名作の数々。一時は五つの班が同時に廻っていた頃もあります。
 百万人の学生さんたちに見ていただき、朝日文化賞を受賞した青年劇場運動。
 今でも全国に伺うと、中学生の頃『レ・ミゼラブル』で前進座に出会われた、といったお話を伺うことが度々です。


 そんな活動の中で、『俊寛』を採り上げるにあたって、
 歌舞伎を古臭くて長ったらしいもの、言葉がわからなくて難しいもの、と食べず嫌いでいる当時の若者たちを対象に、
「初めて観た方にもわかる歌舞伎」を目指したのでした。

 『俊寛』は、『平家女護島』という平家滅亡と三人の女性を描く大近松畢生の大長編のなかの一幕。
 『俊寛』一幕だけをご覧になっても意が通じるように、他の幕の言葉を上手く生かし近松の心を追い求めました。台本の補綴担当は、『研辰の討たれ』の作者でもある平田兼三氏。
 併演が歌舞伎舞踊の『どんつく』とモリエールの『守銭奴』というのもユニークです。

 その後も、上演の度にみんなで再検討を加えては歩を進めてきた前進座『俊寛』。

 先般物故された社会派監督熊井啓さんが進めておられた企画の中に『俊寛』があったそうです。戦後とは違う形の荒廃が、『俊寛』を呼んでいるのかもしれません。

 是非現代の若者たちにもご覧頂きたいと、ジーンズ・シートを設けています。

 2007年版前進座『俊寛』をお見逃しなく。


                  松涛喜八郎★記

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解脱衣楓累

2008年10月前進座劇場 浅草公会堂
解脱衣楓累 -げだつのきぬもみじがさね-

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