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国立真最中:柳生啓介

【たいこもち、つぶやく】

「バーン」「バーン」「バーン」


断末魔

74年ぶりの復活上演『秋葉権現廻船噺』。この芝居、時代物の歌舞伎には珍しく “鉄砲”が何度も登場します。
その銃声は都合3回劇場にこだまするのですが、その内、一発目と三発目は物語に大きな役割を果たします。
最初の銃弾は日本駄右衞門が月本家の当主円秋を殺害するシーン。これにより駄右衞門の日本征服計画がいよいよ本格化する、第一幕クライマックスの場面です。


最後の銃弾は、牙のお才が絶命する直前、鉄砲で三千両のありかを示すシーン。盗賊の一味になってまで愛する人に真心を捧げた女心に思わず客席も涙する、まさに“お宝”場面です。
ところが、二発目の銃弾はと言えば…お才と黒装束の男の密談をたまたま目撃した、たいこもちの義八が代官所へ訴えようとしたためにお才に撃たれて死ぬ、というおよそ本筋には何の影響もない場面。撃った当人のお才ですら、


「また罪を作ったのう。」
と嘆くくらいですから、まったくもって意味のない一発と言わざるを得ません。

わざわざ撃たれるだけに、死ぬためだけに出てくる、この日本一気の毒なたいこもち義八を演じるのが私です。

とはいえ、撃たれる直前の独白は、日本一の国立劇場の舞台上でたった独りでつぶやくことのできる、たいへんやりがいのある大きな台詞です。

「ハテ、合点がゆかぬわえ。この間噂のあった、月本円秋が余類のものか、但しお尋ねの日本駄右衞門か、何でも奥座敷に仔細があるに極まった。お代官所へ注進すれば褒美の金。うまいな、うまいな。」
《バーン》

80周年記念公演は連日笑いと涙、拍手と歓声につつまれています。本当に凄いです。本当にありがたいです。あらためて芝居が世の中に果たす役割の大切さを教えていただきました。私は毎日ドキドキわくわくしながら、つぶやいて、撃たれて、死んでいます。

つぶやく、といえば今はTwitter(ツイッター)の時代。自分のつぶやきが一瞬にして全世界に広がる…そこから発信された貴重な情報が先の大震災でも大いに役立ったことは周知の通りです。
今や情報化社会に欠くことの出来ないTwitterですが、使い方を一歩間違えると大きなトラブルの原因になるケースも多いと聞きます。
やみくもにつぶやくと、たいこもちのように命を落としかねません。皆さま、くれぐれもご用心…。

柳生啓介
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