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『龍の子』日記

初日を終えて。。。
何と!!私、この度、『龍の子太郎』で“龍の子太郎”役を演らせていただくことになりました。

舞台も、人生も何が起こるかわかりませんが、主役急病で、急遽代役を仰せつかりました。
もっとも、稽古中の交代ですから、代役などと思わず、全力投球で立ち向かってまいりましたが…
何せ、青少年劇場公演の主役は、十数年ぶり。
心と身体は別物で、なかなか思い通りには動いてくれません。
日々、強烈な筋肉痛と闘いながら、今日の初日を迎えました。

今回の公演地は、すべて東北の被災地。
福島、宮城、岩手、山形、心や身体に大きな傷を負った子どもたちが待っていてくれます。

福島県内の公演は、50年続いた福島県文化振興事業団主催、県教育委員会後援のキッズシアター(演劇教室)です。
残念なことに、当初、福島県内だけで、21ステージ予定していた公演が、震災の影響で8ステージに。
中止になった公演地には、原発の事故で、全町民が強制的に避難させられている町や、津波で壊滅的な町もありました。
でもこの8ステージを実現させるためには、各地教育委員会の皆さまはもちろん、実に大勢の地元の方の御尽力がありました。
本当に、本当に感謝申し上げます。

私が“龍の子太郎”役をいただいたのは、運命でしょうか?
私は、福島県のいわき市の沿岸部の出身です。
幸い、実家は、津波の被害から免れ、両親ともに元気でいてくれています。
でも、故郷の海は、もとの姿を取り戻すのに、いったいどのくらいの歳月がかかるのか検討もつきません。
いまだに連絡がとれない友人知人もたくさんいます。
そんな中で、この芝居に出演できることは、やはり役者冥利につきると言うべきなのでしょうね。

太郎の唄に 「おらには何ができるのだろう? 何をすればいいのだろう」 と言う詞があります。

今の私にできることは、この役を、今の力を出し切って演じること!
今日の初日の舞台、その思いは、皆さんに通じたでしょうか?

須賀川市内の小学5年生と避難して、須賀川市に編入した子ども達1000人が集まってくれました。
途中、余震が来たらどうしよう…暗い館内で、PTSDに悩む子ども達は大丈夫なのだろうか…不安でいっぱいでしたが、幕が開いた途端に、そんな気持ちは吹き飛んで、場面が進むごとに身を乗り出して観てくれる姿に感動しました。
終演後は、振り付けの吾妻寛穂先生に「今日の初日は、三重丸に花丸を付けてあげる!」と言っていただきました。
もちろん厳しいダメ出しも追加されましたが…
主催者の福島県文化振興事業団の理事長様からも「今まで観た中で、一番良質で素晴らしい作品だった。子ども達が、こんなに作品の世界にのめり込んでいるのを、初めて観た」と過分なお言葉をいただきました。
この初日の感動を励みに、子どもたちと、まわりの仲間たちを信じて千穐楽まで、精一杯努めます。

“龍の子太郎”役
横澤寛美
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1件のコメント

[C131] びっくりしました!

びっくりしました~!!
横澤さんが太郎を演ってる!!と見つけたときは。

髪飾不思議仕掛はいつ観れるのだろう・・・と久しぶりにHPを見てみたら、太郎で福島??!!
そして、ブログを読んで、涙が出ました。

東北の子どもたちが元気になりますように。
前進座の皆様も頑張ってください。
  • 2011-06-15
  • 投稿者 : かっきー
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