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『お登勢』旅日記23

矢之輔旅日記23

いよいよ大詰

  巡演がそろそろ終わり、千穐楽の翌日から次の芝居に取り掛かります。どの芝居も、順調に公演していくには、幕内のまとまりが不可欠、束ねてまんのが総務室長。今回のその大役を勤めはった、松涛喜八郎はん、芝居では、稲垣小次郎言うて、白足袋派の超過激派、犬の死骸を婚礼の祝いに持ってくる侍のリーダー格で出てはった、あの人からのご挨拶。
 「市民劇場だったり演劇鑑賞会だったり労演だったり、名前はいろいろですが、二月に一回くらい芝居を観続ける方たちの会員制の組織が全国にあります。

 『お登勢』は春に四国の会に、この秋は静岡の会にお迎えいただきました。

 実は僕も学生時代にこの会で芝居に出会ったのでした。 
 入学間もなく大学の正門でチラシを配っていた学部の先輩にツカマリマシタ。ドラマなどで御馴染みの役者さんが出演する劇団民藝イタリア喜劇『おお!わが町』に興味があったので五月には入ろうと思っていました(合格発表を観に行けば、同劇団の『灰の街のアメリカ紳士』を観ることも出来たのでした)。

 「これもいい芝居だから、これから観たら」という先輩の言葉に従って青年劇場の『夜の笑い』、六月の文化座『サンダカン八番娼舘』、馴染みの役者はいなくてもこんなに芝居は面白いものか。

 次の九月が『奇跡の人』と『さんしょう太夫』との選択例会。広島市民劇場イチオシの東京演劇アンサンブルと前進座。
 大河ドラマ『花神』の主人公を演じた中村梅之助は知っていても、前進座は初めて。知っている役者は一人もいない。

 5、600年前の説教節の語りを元に、能狂言など多彩な伝統芸能の技術を駆使した舞台。退屈なイメージの伝統芸術、絶対に寝るだろうと思った舞台は人生を変えてしまった。


 この会で次の年に観る芝居を決めるのは今年の会員。入った時に観るのは去年の会員さんが選んだ作品たち。勿論その人たちの多くは今年も一緒に見ているのですが。

 鑑賞団体に入らずに、自分が選んだ芝居だけを観ていたら、この出会いはなく平穏無事な人生を歩んでいたのかもしれません。
 でも、鑑賞団体には、その都度切符を買って観に行ってちゃ得られない“例会運営”という特権があるのです。

 例えば搬入搬出―トラックから舞台で使うものを運び入れ、また運び出す。何だこれは?と思いつつ運んだものが舞台にたっていた時の感動は“お客様”でない”会員さん“にしかありません。

 車に縁のない僕は、駐車場係はちょっと苦手でしたが、売店、モギリ、託児所、新鮮に経験しました。
 見本パンフレットの自分の写真頁を広げて展示していく劇団のパンフレット係、『僕が主役ですもん』と言って憚らない山崎竜之介先輩も当時目撃しました。

 私達はロビーで下手な台詞や踊りを稽古している恥ずかしい姿も、例会運営の方たちには披露していることになります。でもその中から明日の主役が出てくるかも?知れません、もしかしたら…。
 役者は板を舞台を踏んでいなければタダの人です。イタを踏んで初めて役者は育ちます。
 全国の鑑賞会の方たちのお蔭で舞台の役者は成長出来るのです。

 例会運営が楽しくなる芝居を持ってまた伺いたいと願っています。」

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松涛はんの、稲垣。一癖も二癖も、癖が大有りな、立ち姿でんなあ。

  彼らの仕事のお蔭で、幕内も、主催者の皆様とも、スムーズにことが運んで芝居が出来る。ありがたいこっちゃ、ほんまに。彼が観てしまった「さんしょう太夫」、来年から全国を巡演します。皆様どうぞよろしくお願いいたします。
10月4日記
【旅の幸せを噛み締めている 矢之輔 記】
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